あのお店は・・・☆9
私たちは手作り風のお菓子をつつきつつ、その店長の「私生活」をあれこれ想像したりして少し盛り上がりました。
ところで細身のわりに甘いものが大好きなY子さんが、その日は珍しくお菓子を半分近く残した。
店長のお勧めに素直にしたがってサクランボのクラフティを注文した私に対し、彼女が選んだのはこってりと甘そうな栗のタルトでした。
「ダイエットよ。この年になるとね、時々気をつけないと」
そういって、誘惑をあえて退けようとでもするように彼女はそのマロンタルトの皿をテーブルの端にすっと遠ざけた。
そのしぐさをあちらから見ていたのか、再び店長はこちらにやってきていきました。
「お口に召さなかったかしら」
「そうじゃなくって、ちょっと多すぎたのよ」
「ま、それは残念」
首を横にかしげ両腕を軽く広げるあの「残念ポーズ」
をして、またまた私の方は完全に無視したまま彼女は去っていきました。