あのお店は・・・☆8
サロン・ド・テのオーナーはまたあの「口元だけの微笑み」
を浮かべ、ハスキーな声で二言三言、ありきたりの愛想を言う。
何を思ったか、Y子さん、いきなり私を彼女に紹介しはじめた。
「こちら、とーっても優秀な。シャーナリストの○○さんで、ご主人は○○で○○をしてらっしやって・・・」
ちょ、ちょっと待ってよ、と私が制する間もなく、Y子さんはどんどん話を大きく美しくしてしまいます。
それまで私に対しては露骨にもまったく関心を示さなかった店長が、やおらこちらを向き「お目にかかれて光栄ですわ」
と、口元(だけ)で微笑んだ。
「こちらこそ」
と私も口元(だけ)で微笑んで、その場の何やら白々しい空気に我ながらぎょっとしたものでした。